メキシコ、ニューヨーク旅行記のまとめ

ようやく書き終わった今回の旅行記のまとめです。
体調不良で帰ってから一週間くらいふらふらしてたし、その後もけっこうほったらかしでしたが、書き上げないとモヤモヤするもんです。ちなみにニューヨークは最後の二つだけです。

死者の日へGO! メキシコ旅行への準備
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121008

一日目 メキシコ、ニューヨーク旅行記
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121027

二日目 ここでぼけて イン アステカ オタク文化は国境を越えられる。でも性差は越えられない
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121028

三日目 メキシコのトイレに紙は流れないのでゴミ箱に捨てましょう
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121029

四日目 肉とチョコレート
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121030

五日目 Xoxocotlan 死者の日に死す
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121031

六日目 最後のトリックオアトリート
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121101

七日目 アメリカの夜
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121102

八日目 日常への帰還
http://d.hatena.ne.jp/haibaratou/20121103

日常への帰還

旅行の最終日ですが、やはり早朝から行動開始です。セントラルパークを眺めたりジョギングする人とすれ違いながらエンパイア・ステート・ビルディングに向かいます。出国審査のことを考えると、昼ごろには空港に向かわなければならないので、これは本当に最後の思い出作りになります。『みんなの歌』で当時の子どもたちを震え上がらせた?メトロポリタン美術館とどっちに行こうか迷いましたが、美術館は短時間では堪能できそうもないですし、次の機会にとっておきます。

働くってすばらしい!働く人ってかっこいい!とか唐突に思ってしまいました。自分が働いてないわけではないけど・・・惰性で動いていたことを認めざるを得ない。そんな目が覚めるような朝日を浴びながら、エンパイア・ステート・ビルディングが擁する高速エレベーターに乗り込みます。

そうそう、これこれ。昨日タクシーで見たおもちゃ箱。こんなので遊べたら絶対楽しいだろうな。

名残惜しいですが、帰りのタクシーを呼ぶ時が来たようです。この街に住んで働いている人々が無性に羨ましくなりました。

出国審査の際、X線検査でひっかかったアイテム。ipadwalkman用の予備バッテリーなんですが、うむ、爆弾に見えないこともないな・・・。

地球の自転の関係で往路よりも長い復路のフライトが終わり、成田空港に到着。ラーメン屋のラーメンが死ぬほどおいしそうに見えたけど、なんとか耐えてスルー。せっかくだから自宅付近のお気に入りのラーメン屋で堪能したいのです。それにしてもラーメンってけっこう日常の象徴。もう和食認定でいいよな、なんて思ったりしました。
成田から関西の伊丹空港へ。正真正銘最後のフライトの最中のことです。なんとなく窓から外を見ると、大阪の夜景がミニチュアサイズで広がっていました。そのスケールがどんどん大きくなっていき、毛細血管のような光の粒が自動車となって顕在化する過程をじっと見ていたら、なんだか街が生き物で、その体内に入り込んでしまったかのような妙な感覚を覚えて呆然としてしまいました。大阪の街もずいぶんと神秘的な世界だったんだなと唐突に納得。意識を切り替え、この街でまだしばらくはがんばろうと思うのでした。
これにて今回の旅行はおしまい☆

アメリカの夜

早朝ドタバタしてオーナーのエミリオさんから心配されまくるも、無事にオアハカ空港へ。持ってたペソは全てタクシーの運転手にチップとしてあげました。もう小銭しか残ってなかったけど・・・。メキシコシティで乗り継いでニューヨークに向かいます。体調は少し回復していたのですが、そうするとキャンセルしたいくつかの予定が悔しくなってきました。もう自分でもビックリするほど口惜しい。特にモンテ・アルバンパンテオンに行けなかったのは一生もののミスなんじゃないかと・・・。今さら悔やんでもしょうがないし無性にお腹も空いたので、空港のステーキレストランで食事をとりました。

ニューヨークスタイルなるステーキを頼んだら、出てきたのは想像を絶する分厚く無骨な肉。でもナイフを通すととても柔らかい。期待に胸を膨らませて口に放り込んで思い切り噛んでやった瞬間、肉が肉汁とともにはじけて爆発したのを感じました。ただ焼いただけの肉がここまで美味いとは。世に存在する趣向を凝らした料理の存在がむなしく感じます。まあ、これを毎日食べ続けたら、早死にしそうですが・・・。
ジョン・F・ケネディ国際空港に到着。ここからマンハッタン島へ行くためにタクシーを使うのですが、かなりの行列になってます。これではロックフェラーセンターの展望台、トップオブザロックの高速エレベーターの予約時間に間に合わないかも、と少し焦っていると、こっちならすぐに出発できるよ、と声をかけてくる人が現れました。言われるままについて行ったらなにやら怪しげな所に止めてある怪しげな黒い車が目の前に。どう見ても正規?のタクシーじゃない! まあ、メキシコシティと違って個人タクシーが違法というわけではないのかもしれませんが・・・。ニューヨークのタクシーはカードが使えると聞いていたので、まだドルに両替していないぼくは持ち金0。どうしたものかと思いましたが、とりあえずカード使えるか聞いてみると、使えると答えてくれました。今さら戻って列に並び直すのも大変だし、それならまあいいかと乗ることにしました。でも乗ってみると、これ絶対にカード対応してないな・・・と直感的にわかるボロい内装。相手の体格はプロレスラーみたいだし、荷物は多いので今さら下りて逃げるのも不味そうだし・・・。やっちまったかなこれはと後悔しました。
メキシコシティでの非正規タクシーの危険性は認識していたので絶対乗らないと決めていたのですが、逆にメキシコシティじゃないから別にいいかと、料金すら未確認のままあっさりと乗ってしまったのは油断以外の何者でもないです。若干自暴自棄になりながらも怪しげな車でニューヨークはマンハッタン、ロックフェラーセンターへと出発進行です。
助手席でipadをいじり、常に現在地を確認。変なところに連れて行かれないようにチェック。本当はwifi版なので機能してないんですけど、とにかくチェックしているのをアピールします。今さらながらロックフェラーセンターまでの料金を確認してみると、相場より若干高めの答えが返ってきました。カードもやっぱり使えないと言うことで、途中のコンビニで料金分のドルを引き出して再び出発します。少なくとも強盗ではなさげなので安心し、タクシー代を値切ったりしてるうちに(メキシコ経由したのでたくましくなっているのです)マンハッタン島とビルが見えてきました。それがファンタジックなおもちゃ箱といった外観で、人が住んでいるのが信じられない愛くるしさと壮麗さ。運転手のおじさんもなにやら自慢げに語り出すし、タクシーの中から写真とっておけばよかったです。
6:00 PM - 6:15 PMに予約しておいた高速エレベーターにはギリッギリのタイミングで乗ることが出来ました。この怪しげなタクシーに乗らなかったら確実に間に合ってないので、なんだか値切るのは申し訳なく感じ、結局最初に提示された料金を払いました。そしたら運転手のおじさんはいたく喜んで名刺をくれましたとさ。うん、よかったよかった。

トップオブザロックから眺めたエンパイア・ステート・ビルディング。野心とか沸いてくるかと思ったけど、寒くてそれどころではなかった。それにしてもあっという間に暗くなって間に合いませんでしたが、夜景になる直前の夕景がいちばん映えるらしいです。

徒歩でブロードウェイに向かいます。かっこいいけエリアだけど、寒い。

シンプルなビーフシチュー。その温かさが身体に染み渡っていくようでした。

マジェスティック劇場に到着。予約しておいたのはオペラ座の怪人で、割と前方の席を取っておきました。ちゃんとこの劇を元にしたハリウッド映画版で予習しておいたので筋書きもバッチリ。メキシコ一泊を犠牲にして観に来てるくらいなので、かなり楽しみ。そういえば昔は学園祭になるとよく学生演劇をはしごしてたけど、プロの演劇は初めてかもしれない。

終劇。映画は映画用にかなり脚色されているんだろうと思っていたのですが、良い意味で期待を裏切られました。例えば導入部、崩壊した劇場の時間が逆流して復元されていくCGのシーンなど、絶対に映画オリジナルの演出だと思ってたのに・・・。本当にシャンデリアが浮き上がって天井に戻っていくのだから圧巻。劇場を出た後もしばらく頭の中をテーマ曲 Phantom of the Opera がリフレインしてやみませんでした。エンターテイメント精神の神髄、確かに見たり。
満足しつつ地下鉄でホテルに向かう最中、ブロードウェイでこの時間帯だからなのかもしれませんが、「ここ何駅?」と一人がつぶやくと、周りの人が振り返って一斉に「○駅ー!」と答えます。なんだこの一体感は・・・。どこかにカメラでもあるのか? こんなことで妙に感動してしまうのは、目の前に広がるのが幼いころから親しんでいるハリウッド映画の世界そのままだからだと思います。舞台もですが、なによりそこにいる多国籍な人たちがね。
マンハッタンの北部、アップタウンにあるHostelling International New York。予約しておいたドミトリータイプのホテルに到着。メキシコシティでドミトリーの宿をとったのは面白そうだったからですが、今回は純粋に安いからです。他のホテルは料金が高すぎて選択肢にも入らなかったわ。
あてがわれた部屋にはアジア系の方が一人いたので、お互いのことを少し話してから眠りました。一期一会な日々も終わりが間近。
明日、日本に戻ります。

最後のトリックオアトリート


いちおう今日が本来の死者の日です。体調は最悪ですが早起きしてオアハカ民族植物園へと向かいました。オアハカはレアな植物の宝庫でもあります。

途中で何度も休憩をいれることになりました。無理せずタクシーで行けば良かったのですが、町並みを見たかったものでつい・・・。

ちょい迷いましたが、このサント・ドミンゴ教会の裏にあります。というより教会の一部が植物園になっているようです。ちなみにサント・ドミンゴは「聖なる日曜日」という意味。




刺々しいサボテンが咲かせる愛らしい小さな花。植物界のツンデレといったところでしょうか。優しい気持ちになります。

んまあ、たくましいサボテンだこと。

疲れたので腰かけようとしたとき、ちょうどその下にサボテンがあったらどんな音がするか?その答えは『グサッ』でした。くどいようですが体調が最悪でフラフラなのである。飛び上がったよホントに・・・。

この植物園にやってきた一番の目的は、オアハカ出身のアーティスト、フランシスコ・トレドによるダンゴムシから取った染料を利用した、赤い血のような水が流れる美術作品『ミトラの血』を見るためです。この植物園自体の設立にも関わっている方なんですよね。ちょうど一昨日に訪れたミトラの遺跡が好みだったので期待感ましましです。


たどり着いたのですが、今日が死者の日だからか、マリーゴールドの花が敷き詰められています。これはこれで良いのですが、おどろおどろしいホラー要素がなくなっている気が・・・。ちなみに制作者のフランシスコ・トレドのサイトはこちら。ミトラ遺跡の民、つまりサポテコ族の血を引く芸術家で、はっきり言って本物です。
http://www.franciscotoledo.net/

サント・ドミンゴ教会にももちろん訪れました。

ウルトラバロックと呼ばれるメソアメリカ特有の形式です。そもそもバロック建築自体が装飾の過剰な様式なのですが、それを修復する時に原住民の土俗的な美意識が加わってできたのが、このウルトラ過剰な装飾。金箔と木彫りレリーフで作られた生命の樹ですが、やり過ぎ感が半端ないです。

やはり教会の一部のようなオアハカ文化博物館。


モンテ・アルバン遺跡で発見された踊る人の石版と翡翠の頭蓋骨。モンテ・アルバンはミトラ以上に古く寂れた遺跡でしかもかなり近いので行きたかったのですが・・・。くやしい。

外に出るとなぜか昨日ホホの墓地で見かけた特大コスプレを発見。いろいろなところに出張してるんでしょうか。

レストランに入ってタコスを摂取。これまでも屋台ではちょくちょくいただいていましたが、レストランでいただくのは初めて。目の前で香辛料とかを潰していい匂いがします。おいしゅうございました。

宿へと帰る途中、外国人観光客に取り囲まれてフラッシュを浴びている少女二人に出会いました。被写体であることを完全に理解していて、もはやモデルのような出で立ち。照れがありません。キノコの山を差し出し写真をとっても良いか訪ねると、無言で真ん中の籠を指さします。籠の中にはお菓子とともにペソが入っていました。カメラを向けてもほほえみ一つなく冷たい雰囲気なのは死者の仮装をしているからでしょうか。それとも彼女たちの背後にもメキシコシティで幾度も見かけた物乞い、経済格差の問題が・・・? などと一瞬悩んでみせるも所詮観光客。結局はシャッターを切るのでした。

さあ、お菓子を最後の大放出だ。

パレードにも出会いました。本当は追跡したかったし、オアハカの東にあるパンテオンにも行きたかったし、仮装行列に特化して有名な郊外の墓地にも深夜に訪れたかったのですが、明日の早朝5時には飛行機でメキシコシティへ向かわなければなりません。現在の体調であまり夜更かしすると、起床に失敗して飛行機に置いてきぼりを食らいそうな不安というか予感があったので万事を取って宿に戻ります。相変わらず咳でほとんど眠れないのですが・・・。
ところでハロウィンの仮装でいちばんカワイイと思ったのは、かぼちゃの服を着た赤ちゃんですね。お父さんが抱きかかえていたのですが、かぼちゃから生えてるちっこい手足がソーキュート。まさしく生まれたてのかぼちゃの赤ちゃんでした。すれ違っただけなので、写真は撮れなかったですが・・・。オアハカはとてもいい街でした。
みんな元気でね。

Xoxocotlan 死者の日に死す


なんとかオアハカでハロウィンを迎えることができたものの、昨晩はずっと咳をしていて、まともに睡眠もできませんでした。キノコの山にうまい棒ハッピーターン。日本から持ってきた黄金のお菓子がここでの通貨となるのだ。うふふ・・・などと意味不明な供述をしているのもその体調不良のためです。ハロウィンと死者の日は連続しており、開催期間もけっこうだぶっているため、所詮観光客には違いがよくわからなかったりするので、今日がオアハカ観光のクライマックスです。正確には明日からが死者の日なんですけどね。

まずはオコトランという郊外の村にある水色教会へやって来ました。メキシコ在住で雑貨屋さんを経営する日本人「さる」さんの案内で、近辺にあるアレブリヘスの職人宅を訪れます。アレブリヘスはメキシコシティでもいろいろと見つけましたが、オアハカこそがナンバーワン産地です。

この水色教会はもともとスペインの植民地時代に建てられた教会なのですが、修復時に現地人の女性が担当したため、やたらとキュートな色彩の教会に生まれ変わったとか。

すぐ近くのティアンギス(仮設市場)を周遊します。

これは『死者のパン』死者の日が近づくにつれ市場を賑わすことになる必須アイテム。見た目はキッチュでいいかんじなのですが、賞味期限の怪しいパンも多いので食べるのはおすすめしないそうです。あくまでも観賞用に。というかこんな人面パンを好んで食べる人はいないか。

ガイコツの砂糖菓子も同じく必須アイテム。路上でたくさん売られています。

アレブリヘスとは違いますが、オアハカで有名なアギラールファミリーの人形工房を訪れました。


ここに限らずメキシコの人形工房はほとんど家族経営で行われており、みんなで日夜アイデアを出し合っては切磋琢磨していくそうです。

オバケの化粧が残ってますが、力強い眼差しのこの男の子も職人の一人なんでしょうか。

今度は正真正銘のアレブリヘス工房にやってきました。



今にもマイケル・ジャクソンのスリラーが聞こえてきそうなこのポーズ。

近くで展覧会が行われていたのでよってみます。



色鮮やかな怪獣軍団。尻尾などもパーツ分けせず一体化して掘り出しているので曲面が美しい。全て即購入可能です。

さらに別の工房へ移動。超大作の予感をひしひしと感じます。


色の塗り方にはアクリルと天然の2種類がありますが、レモン汁や石灰などを使用する天然のほうが超高精細で高価な代物なので一目瞭然です。

ここまでのになると値段の桁が違ってきます。ドラゴンに貼られた値札は45000ペソ。30万円くらいかな・・・。クレジットカードは使用不可なので現金で購入する必要があり、衝動買いしちゃう心配もなし。小さいのをたくさん買いたかったのですが、何しろ体調が悪くてソファーで寝かせてもらっている有様。旅の移動中ずっと持ち歩く体力に自信が無く、自宅に郵送してもらうわけにもいかない、ということで亀を一個だけ買いました。

時間的にはまだ他の工房も回れたのですが、あまりにも体調が悪いので、ホテルに戻ることになりました。今度来るときは箱買いしよう。

市場でふらついている時に体調を心配しておばちゃんがくれたレモンみたいな何かをかじって薬を飲み休みます。やはり咳であまり眠れなかったけど、夜までになんとか体力を回復させる必要があるのでした。


夜来る。

マリーゴールドを手に、ホホ(Xoxocotlan)という村の墓地にやってきました。デイオブザデッド、つまり死者の日とは先住民の骸骨をトロフィーとして扱っていた習慣とカトリックの祝日が融合して生まれたもので、要するにメキシコのお盆のことです。一年に一度だけ現世に帰ってくる死者の魂を、墓地で家族が迎えます。


実際に家族が墓を囲んでいることが多いので、写真を撮るときは一言断りをいれるといいでしょう。嫌な顔をされることはまずないと思います。

ハロウィンのかぼちゃをデザインにとりこんでいるお墓も多数見受けられます。死者の日は最初の一日目は子どもたちの霊が戻ってきて、二日日に大人たちの霊が戻ってくるんだとか。





しんみりしているばかりではなく、近くには音楽隊も来ていて賑やかな趣向に溢れた夜になります。昼のハロウィンに対抗した大人の本気が見られるお祭りと言えるかも。

先住民の文化を色濃く残す死者の日と征服者のもたらしたハロウィン。このふたつを同時に堪能してこそのメキシコ文化なのだ。などとのたまいつつも死にそうなくらいフラフラしています。死者の日に死すとかいやん。